STORY

ただ飲んで食うだけの
贅沢ビーチキャンプ

ただ飲んで食うだけの贅沢ビーチキャンプ

赤提灯に集まったりするのを含めれば、確実に月イチ以上は会っている気心知れた友人たち。僕たちの共通の趣味はキャンプで、街で飲んでいるときも結局キャンプの作戦会議になったりする。「海を見ながら魚を食べたい!」「どうせなら釣りもできるかな?」「じゃあ朝7時にウチまで迎えにきて」……。
こうして決まった楽しいビーチでのキャンプだが、問題は僕以外全員が便乗キャンパーであること。いつものように僕はキャンプ道具を総動員して、クルマも出すことになる。当日みんなを拾うだけでも一苦労なのだが、意外とそんな準備の時間も嫌いじゃない。

 

好奇心旺盛な仲間たちと

  • 釣り
  • 釣り


まったく、便乗キャンパーのくせに!という感情は僕にもあるが、釣り友達が増えたら良いなと常々思っているだけに、僕もみんなを憎めない。ということで、キスが釣れることを願って、サイトの目の前でサーフに挑戦してもらう。ライントラブルの処理をするのは面倒だったけれど、腕を大きく振りかぶり、ぎこちなくキャストする友人を見るのは微笑ましい。

そうこうしているうちに「ファーストキッスが来た!」と、興奮気味の声が聞こえてきた。しかし、ラインを手繰り寄せた先にいたのは小さなフグ(笑)。ああ、釣りってこういう楽しみもあるんだったな。

 

開放的な
青空キッチンで

料理人

フグ調理師免許はさすがに持っていないけれど、僕はこう見えても料理人。みんなが竿を振っている間に、料理の腕を振るう。いつものキッチンと違ってアウトドアでは制約がたくさんあるものの、限られた食材や環境の中で美味しい一品を作れた時は最高に気持ちがいいんだ。

  • 料理
  • 料理


今日はグリドルパンを持ってきていて大正解。サーモンのムニエルが美味そうに焼けたし、SNS映えを気にするみんなもこれで文句ないだろう。本当はキスのカピタも添えたかったけど、釣りは運。贅沢はいえない。

 

太陽の光を照明に、
波音をBGMに宴を始める

クーラーボックス 乾杯

いつもはキャンプ場に着くや否や設営そっちのけでフライングビールを嗜むのだが、今日は一人工ということもあり、ずっと動きっぱなし。遊び疲れたみんなと足並みを揃えて、キンキンに冷えたビールを喉に流し込む。

「やっぱ大仕事を終えた後のビールは最高だね」と嫌みっぽく僕がいうと、「私たちが仕事させてあげたからだね」と冗談を返す友人たち。笑って返す僕だけど、実はそれも一理あると思っている。だって僕が思っているキャンプや外遊びの醍醐味と、みんなが感じてる醍醐味はきっと違うから。だとすれば、僕はみんなからキャンプの楽しさを教えてもらっているのかも知れない。

 

場所は変われどいつものように

食事 楽しむ

久しぶりなら積もる話もあるだろうけど、僕たちはいっつも会ってるのに「最近どう?」なんて会話をして、それでいて話が尽きないから不思議だ。いや、実際は話が尽きて、たあいのない話ばかりしているのかも?

まあ何にせよ、ただ大きな空の下自然の音を聴きながら仲間と飲み食いして語り合う。幸せな休日っていうのは結構シンプル。僕はこんな時間をクーラーボックスに詰めて、いつまでも楽しんでいたいと思う。