STORY

VACILANDが紡ぐ
アウトドアライフとは

VACILANDが紡ぐアウトドアライフとは

発売されたばかりのVACILANDをテーマにしようと思い、このクーラーボックスがどれだけ優れた機能を持っているかについて書き進めていた。しかし書きながら「もう知ってるよ」という声が聞こえてきて筆を止めた。それだけ信頼されているブランドのアイテムなのだ。HP見れば機能はわかるし、色もわかるし、大きさも伝わる。なので今回は、このクーラーが存在する意義というのか、存在価値みたいなことを語ろうと思う。

 

アウトドア向け
クーラーを作る理由

アウトドア向けクーラーを作る理由

シマノといえば言わずと知れた自転車パーツ・釣具メーカーである。そんな世界に誇る日本のメーカー:シマノがアウトドア向けクーラー「ICEBOX」を発表したことで業界がザワついたのは記憶に新しい。前作のクーラーの熱がまだ冷めやらないうちに早くも新作クーラーVACILAND(ヴァシランド)が降臨。

そもそも何故シマノがアウトドア向けのクーラーボックスを発表したのか気になるところだ。ここ数年でキャンプ需要が増え、キャンプ用品やキャンプ場に至るまで供給が追いついていなかった。当初はそんなあおりを受けてのことだろうと思っていたが、その実、全く違っていたのである。

キャンプ需要

「アウトドアを愛する全ての人へ」この言葉を聞いた時、激しく共感したのを覚えている。釣りも自転車も、大きくカテゴライズすればアウトドアに分類される。アクティビティーの種類、目的や楽しみ方はなんであれ外遊びが好きな人全てにこのクーラーを届けたいという強い熱意を感じたのである。

もちろん商売は商売だ、市場が賑わっているタイミングというのは重要だっただろうと思う反面、既存のメーカーが跋扈するレッドオーシャンに乗り込んだところにシマノの自信も感じた。

そう、作ったのはあの絶対的なモノ作りへの信頼を集めるシマノなのだ。

 

楽しんだもの勝ち

楽しんだもの勝ち

「楽しんだもの勝ち」という、一見無責任にも感じるこの言葉が大好きである。趣味を突き詰める真面目さが自分のいいところでもあるが、もっといろいろなアクティビティーやスポーツを楽しんでみたいとも思う。ポートランドに住む友人は、「週末遊ぶために月曜から木曜まで働いて、金曜は早上がりしてアウトドアショップに行くんだよ。今週はカヤックかな。」と嬉しそうに語っていた。「今週は家族でトレッキング、来週は息子と渓流釣り、再来週は庭でBBQだ!」という感じで、アクティビティーの垣根を超えた遊び方やコミュニティーが持てたら最高だ。

都内に住んでいるからといって、自然が遠いわけではない。キャンプ場や緑豊かな公園は身近にあるし、アウトドアショップも豊富で自然体験イベントなんかもシーズンは毎週のように開かれている。東京には2000mを超える山や、渓谷もあるのだ。都会で心を擦り切らせている人こそ思い切り自然で遊ぶのがいいんじゃないか。

保冷力がずば抜けているのでベースキャンプにこのクーラーを

気付かないうちに遊ばない言い訳を作っていたのだろう。私が趣味としている渓流釣りにはクーラーは持って行けないと思い込んでいたのも言い訳のひとつである。

そう「楽しんだもの勝ち」を忘れるとクリエイティブな思考が衰えていくのだ。「保冷力がずば抜けているのでベースキャンプにこのクーラーを」という言葉を耳にして、本来自分が求めていたアウトドアの楽しみ方を思い出したのだ。

  • ベースキャンプ
  • 釣り


そうだ、ベースキャンプ作って釣に行いけばいいじゃない。

時間が取れる取れないは置いといて、PROの40Lモデルなら下手すれば2週間くらい楽しめるんじゃないか。前作のアイスボックスも愛用中だが、そこからしばらく遊び道具を買っていなかった。だからというわけではないが、忙しさにかまけて遊べない言い訳をあれやこれや作っていたのだろう。

いまVACILANDを目の前にして、かっこいいなとか、これ見てたら飲めない酒も飲めるようになりそうだなとかいうコトよりも、もっとワクワクした空想に浸っている。

久しぶりの釣行だ。せっかくならそれなりの地方まで遠征して、道中ずっとキャンプも味気ないから1泊くらい宿挟んでみようか。そうすれば宿飯と温泉も楽しめる。長野あたりまでいけば知り合いも多いからキャンプに顔出してくれるかもしれないな。タフな設計だから息子にも譲れるし、まずは息子が5歳くらいから釣り教えたいな。いや、譲る前に使い倒したいな。車中泊にももってこいじゃないか。

VACILAND

そんないろいろな空想が浮かんでは消え、また違う楽しい空想に飛躍する。

遊びの幅と可能性を広げるなら、このクーラーじゃなくてもできるだろう。しかしVACILANDは、私が理想とする遊び方に完璧にマッチしているのだ。

まだ手元に届いたばかりでまともに使った回数は少ないが、こいつを使ってどうやって遊ぼうか考えていたら、その時間の有益性に多幸感まで感じる始末だ。シマノが自信を持っているのは、機能はさることながら、

これでいっぱい遊べるでしょ!!

ていうことなのかも知れない。

-Profile-

セレクトショップを経て某アウトドアメーカーから独立後、アウトドアブランドのPRやメディアでライターを務めるなどして活動。2021年にアウトドアブランドを中心に扱うアタッシュドプレス「people showroom」を立ち上げる。休日は専ら渓流釣りとキャンプに勤しむ本格的な外遊び派だが、子供が生まれてからは家族とのピクニックに夢中な44歳、1児のパパである。

ライター