STORY

仕事の枠を広げてくれた
外遊び

仕事の枠を広げてくれた外遊び

「東さんのインスタって釣りか山に行ってる写真ばっかりだから、好き勝手遊んでる道楽者みたいだよね」。知り合いからもそんな風に思われてるみたいだけど、わたしだって日々スタイリストとして東京をかけずり回っているんですよ……。
今日は撮影のためのリースの日。クルマのトランクにはアウトドアギアの代わりに服をたくさん載せて、プレスルームを縦走していた。

 

スタイリスト・東 美穂の日常

スタイリスト・東 美穂の日常

世の中にどれだけスタイリストという職業が認知されているかわからないけど、基本的にはテレビやドラマ、映画といったムービーに登場する芸能人や、雑誌、広告のヴィジュアル写真に登場するモデルたちのために、洋服をコーディネートをするというのが私たちの仕事。ファッション誌などでスタイリングを披露していたり、一見するとオシャレで華やかに見える職業ですが、ブランドやプレスルームを巡って服を借りてきて、アイロンをかけて、着せて、返却して、事務作業してと、やっていることはだいぶ地味。それでも、自分の好きな物事に携われて、自己表現もできるから、自分の性分に合った仕事だなぁと思う。


スタイリストの仕事

スタイリストの仕事を十何年もやってきて、ファッション誌に関わったり、広告のスタイリングをしたり、アーティストに付いたりと色んなことに携わったけど、あらためて思うのは、結局好きなことが繋がって今の自分があるということ。15年ぐらい前から始めたキャンプをキッカケに、山登りや釣りにも食指が伸びて、今では半分くらいがアウトドア関係の案件になっている。

時間があるとついアウトドアショップや釣具屋に寄ってしまうわたしにとって、展示会やプレスルームで最新のアイテムに触れられる環境にいるっていうのは幸運なこと。つくづく趣味と実益をかねているなと……。


Before you wake up

去年創刊したカルチャーっぽい釣り雑誌「Before you wake up」で請け負ったスタイリングページなんかは、ファッションと釣りがクロスオーバーしたお気に入りの仕事。まだまだファッションも好きだけど、正直トレンドっぽいのは若いスタイリストに任せて、わたしはこんな感じの得意な方向で面白いコトができたらいいな〜とか思ったりなんかして。

アウトドアって今やライフスタイルになってきているし、スタイリストとしてもファッション提案の幅も広いから、やってて面白いんだよね。

 

アウトドアに侵食された
日用品

アウトドアに侵食された日用品

自分自身、外遊びをするようになってから洋服選びも変わってきたように思う。服飾の学校を出てからはメンズのセレクトショップで働いていたくらいアメカジとかストリートのノリが好きなんだけど、自分の普段の持ち物をみてみると、かなりアウトドア方向に振れているのがわかる。


Orient

アーバンアウトドアってのを狙っているわけじゃないけど、外遊びのモノって街で使ってもやっぱり快適。だから靴やサンダル、サングラスに帽子なんかは、クルマかバックパックに常備されている。これもよく一緒に移動している仲間たち。

格好としてはモードなスタイリングも結構好きで、特に駆け出しのころなんかは女性ファッション雑誌の仕事をよくやらせてもらったものの、その当時から自分自身は動きやすい格好をしてたかも。


日焼け止めと虫除け

我が家の愛犬「こつぶ」みたいな豆柴の刺繍が入ったポーチにはメイク道具を収納。ここはしっかり女スタイリストっぽい感じ? UVカット率高めの日焼け止めと虫除けが常備されているのは、アウトドアロケが多い私ならではかも。といっても、本気で釣りするときや山に行くときは、オシャレさゼロで効果重視のものを使うんだけどね……。


水筒もおしゃれアイテム化

ライフスタイルがファッションと交わってきたことで、水筒もおしゃれアイテム化してるのはいい傾向。アウトドア業界や釣りをしている仲間内でも、ボトルやタンブラーがスタンダードになりつつある。

私ぐらい趣味と生活に境界がなくなってくると、ボールペンまで魚。釣りは海ばっかりで渓流はあんまりしないけど、アマゴ柄は可愛いので愛用している。

 

釣りとファッションが
交わる時代

釣りとファッションが交わる時代

コロナ禍でキャンプが盛り上がったこともあってか、よりアウトドアがみんなの暮らしに身近になっている気がする。最近は釣具メーカーも、釣りだけでなく日常やキャンプに使えるアパレルを展開し始めたし、釣り好きスタイリストとしては嬉しい限り。ファッション的にも釣りの裾野が広がることはいいことだと思う。


シマノのライフスタイルシリーズ

シマノのライフスタイルを意識したシリーズは、全体的にシンプルなデザインでいい意味でロゴの主張も控えめ。釣りをしたあと街中に出かけられるから、オシャレでいたい人にも、逆にファッションに無頓着な人にもオススメできるんじゃないかな。それに春夏は吸水速乾やドライタッチ、秋冬でいえば防水、防風、防寒。ちゃんと機能性が備わっているのは、さすがは日本屈指のアウトドアスポーツメーカー。


クーラーボックス「ヴァシランド」

あと最新のクーラーボックス「ヴァシランド」も、オシャレなサンドカラーで高級感あり。上蓋は両開きで使いやすいうえにシッカリ閉まるから、釣りだけじゃなくキャンパーにもおすすめ。わたしのは旧型のだけど、シマノのクーラーは保冷力が高いから車中泊旅で使うにも重宝している。

 

暮らしに
アウトドアの楽しさを

自分の得意なこと

ここ10年ぐらいで自分の得意なことや、やりたいことが明確になってきた感じがして、今年は仕事でも新しいことを自分でも始めようかなって気になっている。例えばWEBメディアだったり、ショップだったり。ファッションだけでなく、ライフスタイルや釣りをごっちゃにしたような何かが。

どうせまだまだ働かなきゃいけないんなら、自分の好きなような道筋を描く。成長や環境の変化に応じて海や川に移り住む回遊魚のように、私も自由に生きていこうと思っている。