STORY
愛車on愛車の
休日ドライブ
ボルボ・240エステートに乗って早11年。仕事も趣味も、僕の人生のそばにはいつもこいつがいる。購入時の走行距離は9万5000キロだったけど、もう20万キロ。距離でいえばすでに地球を5周している計算になるものの、まだまだ元気に走ってくれる。今日は久しぶりにルーフにマウンテンバイクを乗せて、富士の麓までドライブに出かけた。
久しぶりの自分時間
旅をするように仕事がしたいと思い、美容師からヘアメイクに転身して随分時間が経った。毎日違う現場に向かう日々は刺激的な一方で休みは不規則。雑誌や広告なんかは1日で済むことが多いし大体が平日だけど、舞台や映画、ドラマなどの長期間付きっきりの現場もあるから、そうなると働き詰めということもある。そんなこともあって、休みの日は全力で遊ぶか全力で休むかの二択で、悔いのないよう過ごすことが僕のスタンダードになった。
山登りにマウンテンバイク、時々焚き火などなど。自分の欲に忠実で趣味に生きるタイプの人間だから、結局休みが少ないときほど遊びを優先しちゃうんだけど。
そんな趣味人を自負している僕だけど、この7月に子どもが生まれたことで、我が子を愛でることが休日の楽しみに。普段子守りをしてくれる妻に休んでもらいつつ、最近は家で過ごすことが多くなった。ていうか、この尋常じゃない暑さが続く夏に外に出かけるなんて、命の危険すら感じるからね。
だから僕には珍しく2ヶ月ぐらい自分の趣味時間を設けられていなかったんだけど、今日は妻が「たまには外で遊んできたら?」といってくれたので、久しぶりにMTBパークでダウンヒルを楽しませてもらうことに。連休中も仕事を頑張った僕を労ってくれた妻に感謝して、一路富士山の麓、ふじてんリゾートまでクルマを走らせた。
アウトドアに
連れ出してくれる相棒
僕の愛車は1992年式のボルボ・240エステート。もう11年も乗っているけど大きなトラブルもなく、ボルボ史上一番のロングセラー車種だというのも納得。仕事で都内を走るのはもちろん、北アルプスへの長距離ドライブも問題ない。ちょっと上り坂ではパワー不足を感じるものの、そこも含めて愛せるクルマなんだ。
エンジンが壊れにくくて、ものによっては40万キロを突破してなお健在という個体もあるらしいから、僕のもまだまだこれから。正直にいえば他のクルマにも乗ってみたいと思うこともあるけど、元気に走ってくれるから乗り換えるキッカケがなくてね。きっとしばらくはコイツと過ごすことになるんだろうな。
個人的には角ばったクルマが好きで、僕が最初に手に入れたクルマは91年式のゴルフⅡ。今の240と同じく真っ赤の車体で、駆け出しのヘアメイクの頃に勢いで購入したものだった。
そのゴルフⅡも調子がよくて3年くらい乗ってたんだけど、今日も通過してきた富士吉田のインターを降りたところで事故って廃車に。それで、前から乗ってみたいと思っていた240に乗り換えたら、これまた調子がよくて。
セダンでなくエステートにしたのは、単純に荷物がたくさん積めるから。ヘアメイクは大型のスーツケース満杯に化粧道具を詰めて現場入りするから、やはりトランクスペースが広いほうがいい。それに、ロングボディの割にホイールベースが短いというのもよくて、一通だらけの都内の路地もヘアピンカーブが続く山道も、スムーズに曲がれるってのも気に入っているポイントだ。
クルマと共に歳を重ねて
ボルボ専門の中古車屋さんで出会ったこの車体は、新車には絶対出せない塗装のヤレ具合がかっこよくて、ピカピカにして乗るよりそのまんまの味わいを生かしたいなと思って、オールペンなんかせずに乗っている。作られてから30年以上経ったこいつは、下手なカスタムをするよりも自然体である方が断然かっこいい。オーディオデッキすら変えることなく、車内には90年代の空気がいまだに漂っている。
いわゆるヤングタイマーぐらいの旧車は、構造も今のクルマのように複雑じゃないから壊れにくいし、もちろんエアコンもパワーウィンドウもある。オールドタイマーのように我慢して乗らなくていいから、妻からもクルマのことで小言をいわれることもない。それにコイツは最近のクルマより頑丈な作りだから、下手な新車を買うよりもある意味ファミリーカーとして安心して使えるんじゃないだろうか。
今日ここまで運んできたマウンテンバイクは僕にスリルと興奮を与えてくれる乗り物だけど、240はそれと対照的に安心とリラックス感を与えてくれる存在。僕の人生を支えてくれるこの相棒たちには、これからも新しい景色をみさせてもらわないとな。