STORY
Sea to Summit via City
街でもアウトドアでも
映えるメガネ

前回の記事では、星野さんの登山とメガネの関係をインタビュー形式でお届けしましたが、今回は星野さんに、アウトドアシーンにおすすめなメガネについて尋ねました。ただし、世界7大陸の最高峰を踏破した理由が、火星に聳える銀河系最高峰・オリンポス山への登頂を見据えた前哨戦であるように、星野さんの目線は一味違います。
正統派で、
ある意味異端なメガネ選び

一般的に、アウトドアをテーマにしたアイウェア紹介となれば、スポーツサングラスが中心になりますが、この記事での焦点は、「いかに日常をファッショナブルに、かつアウトドアでも快適に過ごせるか」。世界の頂でさまざまなメガネをかけ替えるという遊び心満点のチャレンジも続けてきた星野さんならでは感性で、今回は誠眼鏡店で取り扱っているラインナップの中からおすすめアイウェアをご紹介いただきます。

そもそも、アイウェアはファッションであると同時に、視力矯正の器具であり、より良い視覚を確保するための道具です。特に過酷な自然環境下では、強烈な紫外線や日差し、砂や埃、雨などから目を保護する必要がありますが、そうしたアイテムは専用品になってしまいがち。もちろん登山だけでなくトライアスロン競技にも参加している星野さんだからこそ、その使い分けはわかりきったうえで、アウトドアだけではなく日常も満足感を感じながら使えるメガネを提案いただきました。
軽くて丈夫な金属ナイロール

上から、 lool GATSBI SUN GOLD ¥52,800/lool MORF SUN ¥52,800/BAJAZZO BALINE F6 (DEAD STOCK) ¥28,500
星野さんが最初に挙げたキーワードは「金属ナイロール」。メガネ好きでない方には馴染みがないかもしれませんが、要はフレームのリム(ふち)をレンズの溝に差し込むことで固定する、ミニマムなメタルフレームのことです。チタンやステンレス素材を使用したシャープな見た目も魅力ですが、この手のフレームがなぜアウトドアにおすすめなのでしょうか?
星野さん「金属ナイロールはとにかく軽量。ボリュームのあるデザインでも、プラ枠に比べて圧倒的に軽いのでおしゃれも気軽に楽しめます。眼鏡店で正しくフィッティングされていれば、スポーツのときもずれにくいですし、加えて、ここで紹介しているフレームはヒンジにネジを使っていない分、フレームが壊れにくいというのも大きなメリットなんです。
写真の上から2つは、バルセロナの新進気鋭のブランド『lool』のもの。 極細・極薄・超軽量のステンレス製シートメタルを用いて構成された、ネジを一本も使わないフレームです。どちらもサングラスとして使えるデザインなのですが、クリアのレンズでメガネとして使うのが意外性があって提案しています。下のラウンドシェイプは、ドイツの『BAJAZZO』 というブランドの一本。高級アクセサリーのような大人っぽいデザインながら、テンプルには柔軟かつ高強度のチタン素材・GUMMETALを使用していて、見た目の美しさとかけ心地の良さを両立しています」
香港発・UL系アイウェア
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上から、22 Degree Eyewear T4H ¥68,500/22 Degree Eyewear F18P ¥53,500
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22 Degree Eyewear T1H ¥68,500
続いてピックアップしていただいたのは、まだ日本での取り扱いが少ない香港ブランド「22 Degree Eyewear 」。デザイナー兼職人のPazo Ho氏が手がける、サステナビリティとクラフトマンシップを融合させたフレームが特徴です。同ブランドが手がけるフレームには、EVAや特殊ポリマーなど、アイウェアで使われることのない素材も巧みに活かし、かけていることを忘れるほどの軽さを実現。ほとんどのフレームがリサイクル可能というのも、アウトドアズマンの心をくすぐります。

星野さん「ネジ不要、電気メッキ不要、ニッケル不使用、溶接不要など、環境にも優しく、しかも壊れにくい構造がこのブランドの真骨頂。チタンワイヤーを一本一本手作業で加工し、調整することでUL(ウルトラライト)ギアともいえるほどの、圧倒的な軽さを実現しています。
フロントにキャッツアイ風のEVAパーツを持つ『T4H』は、デザイン性も高いのに重量はわずか15g。『F18P』はチタン製の骨格をポリマーでカバーしていて、水辺に落としても沈まないフローティング機能を搭載。持続可能なポリマーとチタンで構成され、こちらの重量は31gと、アセテートよりも40%軽量化されています。また、クリップオンサングラスが付属した『T4H』は14gとさらに軽く、片目ずつ着脱できるので好みに合わせて使い分けができます」
クラシカルな
“縄手”のデザイン

上から、Bousch & Lomb VINTAGE ¥31,500/Megane-ya Strike ビスポーク・オクタゴン¥31,500
また「縄手」などという聞き慣れないワードが飛び出しましたが、これはテンプル(ツル)の耳にかかる部分がワイヤー状になっており、耳にしっかりフィットする形状を持つメガネのこと。巻きつるや、ケーブルテンプル、ワイヤーケーブルと呼ばれることもあります。一般的に縄手はクラシックな雰囲気でアウトドアとは縁遠いイメージですが、星野さんは、ランニングをする際は必ず縄手のメガネをかけるというくらい、運動時におすすめなんだそうです。

星野さん「縄手タイプは現代では珍しいのですが、フィット感が高く、下を向いても顔を振っても落ちにくいのが大きな魅力です。実際ここで紹介しているようなメガネでトライアスロンの大会に出たりするんですが、デザインも意外性があって、顔を覚えてもらえるという点でも便利なんです(笑)。ヴィンテージのボシュロムは、金張り(12KGF)でツーポイントという上品なデザイン。フロントの造形やテンプルの彫金も美しく、日常からさりげないオシャレを楽しめそうです。もう一本は、オーダーメイドの眼鏡屋さん『めがね舎ストライク』で制作されたオクタゴンシェイプ。鼻当てがないイチヤマというクラシックな仕様で、耳や鼻でしっかりホールドするため、スポーツ時にも安定感があります」
眼鏡店目線でみる、
シマノのサングラス

ちなみに、シマノではフィッシングとサイクリングのカテゴリーそれぞれで、独自設計のサングラスを展開しています。今回はせっかくの機会なので、釣り用の偏光サングラスにもデザイン性を求める方におすすめなモデル「STL501 トゥルービュースポーツ」をみていただきました。

星野さん「見た目はデイリーに使えそうなボストンシェイプでスポーツサングラス感が抑えられていますが、調節可能なノーズパッドや、締め付け感を感じないバネ入りのヒンジと、アイウェアとしてとても上質な作りですね。しかもレンズは偏光レンズの最高峰であるTALEX。天気や釣り場の環境に合わせて選べるように4種類のレンズを用意しているというのも、本気度を感じさせますね。
ファッションやアウトドアブランドのアイウェアは、フレーム調整ができないケースもありますが、これはテンプルも調整できて、顔を大きく振ってもズレてこない。これならランニングのときに使っても問題なさそうです。“レンズ推しのサングラス”で終わるのでなく、フレーム自体にもこだわりを持って作られていることがわかります」
アイウェアを
もっと自由に楽しむ

“アウトドアで使うアイウェアはこうあるべきだ”。もしくは、“このようなアイウェアは街だけで使うものだ”といった固定概念を捨てることは、実は自然を十二分に楽しむにおいての、重要なターニングポイントになるかもしれません。
誠眼鏡店には、今回紹介したような遊び心あふれるアイテムから、ベーシックなフレームまで幅広いラインナップがそろっています。星野さんのように突き抜けた冒険はしなくても、自分らしいスタイルを引き出せる一本を見つけるだけで、見慣れた景色がちょっとだけ違って見えるかもしれません。あなたも新しいアイウェアで、日常とアウトドアのどちらも存分に楽しんでみませんか?

誠眼鏡店HP:
https://www.makotoweb.com/